2025年6月24日

今日の昼食はカレーライスとラーメン。


写真は、かれこれ50年ほど前に私が買った書籍です。
エドゥアルト・ペルンコフ(Eduard Pernkopf)の解剖学図譜『Pernkopf Atlas of Topographical and Applied Human Anatomy(ペルンコフ解剖学アトラス)』は公式に「禁書」扱いにはなっていないものの、現在は倫理的な問題から多くの教育機関や医療機関で使用を自 粛、または禁止されています。
 なぜ問題視されているのか?
1. ナチスとの関係
   * ペルンコフはオーストリアの解剖学者で、ナチス党員でした。
   * 彼のアトラスは、1930年代から40年代にかけて作成されたもので、当時のナチス政権下の犠牲者(政治犯、ユダヤ人など)の遺体を無断で解剖に使った可 能性が高いとされています。
2. 使用された遺体の出自が不明瞭かつ非倫理的
   * 図譜に使われた遺体の多くが処刑された人々のものであったとされ、本人や遺族の同意を得ていない。
   * ヒトラー政権下で行われた医学研究の倫理性が根本から問われています。
3. ナチスの象徴が絵に含まれていた
   * 初期の原画には、ナチスの鉤十字(ハーケンクロイツ)やSSのルーン文字が署名とともに描かれていたことも問題視されました。
 現在の扱い
* 多くの大学や病院では、教育目的での使用を控えるか、倫理的な背景を必ず説明した上で限定的に使用しています。
* 医学教育での価値は依然として高く、解剖学的な正確さや芸術性は非常に評価されているものの、使用には注意が必要とされています。
* 1990年代以降、この図譜を使うべきか否かの議論が活発になり、代替図譜(NetterやGrantなど)を使う動きが強まりました。
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