最近はやりのコンパクト・ドライブについて考えてみました。

チャートはそれぞれタイトルに示しているように、上がフロントのチェーン・リングを52/39、リアのスプロケットを12/27で使った時のギア比。

下が同じくフロントのチェーン・リングをコンパクト・ドライブの50/34、リアのスプロケットを12/23で使った時のギア比をグラフにしたものです。

各チャートで上のブルーの線はフロント・アウター、下の赤い線はフロント・インナーを表しています。

これらの組み合わせは、ずばり一番軽いギア比、すなわちフロントがインナー、リアもインナーで使った時の比がほぼ同じ、約1.5になるようにしたもの。

各チャートで黄色い領域はフロントがアウター、インナーどちらでもいい組み合わせ。

ちなみに対角線での使用はしない、すなわちフロント・アウターでリアは最インナー、あるいは逆の組み合わせは、一般的には使わないので省いてあります

ずばりいって、上のチャートでは各線が立っている、すなわちワイド・レシオであり、フロントはアウター、インナーのどちらでもいい組み合わせの領域が広い。

逆に下のチャートでは線は寝ている、すなわちクロス・レシオであり、フロントがアウター、インナーのどちらでもいい組み合わせの領域は殆どない。

ということになりますね。

まとめ:コンパクト・ドライブを使うと、クロス・レシオのリア・スプロケットを使えるので、わずかな勾配や風向きなどの微妙な抵抗に合わせて、最適なケイデンスを選びやすい。

そのかわりフロント・チェーン・リングの守備範囲の重なっている領域が少ないので、フロントの変速のチャンスが増える、すなわち「せわしない」ということになります。

おまけ:上に書いた、使わない対角線での組み合わせ、特にフロント・インナーでのそれは、実はシマノのコンパクト・ドライブでは使えません。

なぜなら、以前からのフロント・ディレイラーでの変速性能を稼ぐために、チェーンの脱線を促すピンが一般のチェーン・リングに比べて飛び出しているため使おうと思ってもチェーンが暴れて使い物にならないからです。

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